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ピルとビタミンは組み合わせても大丈夫?押さえておきたい基礎知識を解説

SUMMARY

  1. ・低用量ピルの基礎知識
  2. ・ピルとビタミンの組み合わせについて
  3. ・そのほかピル服用時に注意したい成分
  4. ・まとめ


低用量ピルは避妊や生理痛の緩和などさまざまな目的で使われる薬剤です。ただし、ピルを利用する際には、摂取しない方がよいといわれる栄養素もあります。
今回の記事では、ピルと栄養素の組み合わせについて解説します。


低用量ピルの基礎知識

そもそも低用量ピルとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、低用量ピルがもたらす効果と副作用について解説します。低用量ピルを服用する前に、飲んだ後に体にどのような影響が表れるのかを把握しておきましょう。


低用量ピルの効果

ピルとは、女性ホルモンを含む薬のことを指します。低用量ピルとは、毎日1錠ずつ服用することで効果が得られる薬品です。排卵を抑制することで避妊の効果を得るほか、子宮内膜を薄くすることで生理痛や子宮内膜症の治療に使ったり、ホルモンバランスを安定させるため、PMSの治療に使われたりします。
低用量ピルは含まれるホルモンの種類や開発時期によって第1世代から第4世代に分類でき、飲み方や効果の現れ方も異なります。


低用量ピルの副作用

低用量ピルはかつて使用されていた中用量ピルに比べて副作用は起こりにくいものの、ホルモンバランスの変化によって体調の変化がある人もいます。
低用量ピルの副作用としてよく現れる症状は、吐き気・頭痛・倦怠感・下腹部痛・胸のはり・むくみなどです。そして、それ以外の注意しなければならない症状としてよく挙げられる副作用に「血栓症」があります。血栓症とは血液に小さな塊が生じることで、血管を詰まらせる病気のことです。ピルの影響による発生確率は低いものの重篤な場合は命に関わる可能性もあります。


ピルとビタミンの組み合わせについて

低用量ピルは避妊や生理痛緩和などに効果がありますが、吐き気や頭痛などの副作用を不安視する方も多いでしょう。
ピルを服用する際は、一部の薬や食べ物を摂らないように注意が必要です。どうしても摂取する必要がある場合、服用前に医師に相談しましょう。


ピルとの組み合わせが悪いとされる食べ物

普段は健康に影響をもたらさない食べ物でも、ピル服用中は避けた方がよいものがあります。グレープフルーツは低用量ピルを分解する働きを弱める「フラノクマリン酸」を含む食べ物です。そのためピルの効果が想定よりも強く出たり、副作用のリスクを高めたりする可能性があります。服用中の摂取は避けることが無難です。
同じくビタミンCが豊富な果物でも、レモン・温州みかん・かぼすなどはピルと一緒に摂取しても一般的な量なら問題ないといわれています。


そのほかピル服用時に注意したい成分

ピル服用中は避けた方がよいとされる成分はほかにもあります。ここでは、代表的なものを3つ紹介します。
自分が今飲んでいる薬がピルと飲み合わせが悪いものかどうかを知りたいときは、医師に相談しましょう。

アルコール

アルコールは薬と同様に肝臓で分解されます。そのため、ピル服用中に大量のアルコールを摂取すると分解が遅れ、効果が強く出る可能性があります。副作用も強く出る可能性があるため、ピル服用中は大量の飲酒は避けましょう。
また、酔っ払って嘔吐したりピルを飲み忘れたりすると、ピルの効果が発揮されないこともあります。
とはいえ、間隔をあけて適量を摂取する分には大きな悪影響はないといわれているため、過度に心配しすぎる必要はありません。


アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは、鎮痛剤として用いられる成分の1つです。解熱鎮痛剤だけではなく風邪薬にも配合されていることがあります。ピルと併用するとアセトアミノフェンの効果が弱くなるほか、ピルの作用が強くなる可能性があります。
アセトアミノフェンが含まれる薬を処方されている場合、低用量ピルを服用する前に必ず申し出ましょう。こちらは、市販薬にも含まれるため注意が必要です。ピル服用中に風邪薬や解熱鎮痛剤を使用するときは、必ず成分を確認しましょう。


セントジョーンズワート

セントジョーンズワートは、精神安定効果を期待して摂取される成分です。サプリメントとして販売されているほか、ハーブティーで摂取する人もいます。
セントジョーンズワートは、ピルの効果を弱めるといわれている成分の1つです。避妊のためにピルを摂っている場合、ピルの作用が弱くなれば妊娠する可能性が高まります。
また、子宮内膜症や生理痛などの治療用にピルを服用している場合は、ピルの作用が弱まると病気の治療に支障が生じます。


まとめ

ピルは避妊や病気の治療などさまざまな目的で使われます。日常で口にする食べ物や薬でも、ピルと相互に影響を及ぼし合うものがあります。自分が飲んでいる薬がピルと併用してよいかどうかが分からない場合は、医師に相談しましょう。

記事監修


Alohaさおり自由が丘クリニック院長
藤堂紗織先生
Alohaさおり自由が丘クリニック

日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。
その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。
現在はAlohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。


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