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女性特有の悩みをもっていませんか?

SUMMARY

  1. ・妊娠中はプロゲステロンの分泌量がずっと高い状態
  2. ・妊娠初期の不調時に、気になるのは栄養面
  3. ・妊娠中、出産後のサプリメントは、“あり”? “なし”?
  4. ・まとめ


月のリズムや気温差、環境の変化などによって影響を受けやすいといわれている女性の体。特にホルモンバランスが急激に変わるのが、妊娠期と出産後です。

そこで女性の体にまつわる悩みをテーマに3回に渡ってお届けするこちらのシリーズ。第2回では「妊娠、出産」をテーマに多摩センターレディースクリニック院長の清水華子先生にお話を伺いました。この時期のサプリメントの摂取に関してもご注目ください。

妊娠中はプロゲステロンの分泌量がずっと高い状態


第1回目の「女性ホルモンと上手に付き合う方法」では、女性ホルモンには “エストロゲン(卵胞ホルモン)”と“プロゲステロン(黄体ホルモン)”があり、女性の体と心は、このふたつのホルモンの分泌バランスによって大きく左右されているというお話をしました。そのバランスが大きく変わるのが妊娠です。

「通常、女性は排卵したあとにプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が増え、生理前に向かって徐々に減っていくのですが、妊娠をするとこのプロゲステロンの分泌量がずっと高いまま維持されます」と清水先生。
前回お話したとおり、プロゲステロンはむくみや便秘といった不調や肌トラブルの原因となるホルモン。つまり妊娠するとPMS(月経前症候群)のような症状がずっと続くということになります。

「つわりのような気持ち悪さ、体のむくみ、便秘、血行不良のほか、メラニンの産生を促す働きもあるので色素沈着しやすくなり、シミやそばかすも目立ちやすくなります。不調に悩まされるだけでなく、美容面の悩みも増えがちに」。いろいろな意味で過ごしづらい時期になります。

妊娠初期の不調時に、気になるのは栄養面

つわりなどの不調によって食事がままならないときに、気になるのが栄養面。「赤ちゃんのために食べなくちゃ」とあせるお母さんも多いのではないでしょうか。
「妊娠のごく初期はまだ胎盤もしっかりできていないので、赤ちゃんとお母さんの結びつきはそんなに強くないんです。つまり、そこまでお母さんの力を借りて大きくなっているというわけではないということ。なので、つわりがある時期は『あれもこれも食べられなかった、どうしよう』とクヨクヨしないで、まずは自分の体調管理を優先してください。つわりが落ち着いてきたら、しっかり栄養面を考えてバランスよく食べていけばいいんです」
ちなみに清水先生のクリニックでは、つわりがひどい妊婦さんに対して漢方薬の処方や点滴などの対応を行っているそう。
「つらいときは我慢をしないで医師に相談するのがよいでしょう」

こういったつわりなどの症状の重さに個人差がでるのは、さまざまな原因がからみあっているからだそう。
「免疫力の問題もあると考えられています。赤ちゃんは言ってみれば異物なので、妊娠になれていないお母さんの体が反応してしまうんです。ですが妊娠の回数を重ねるごとに、体がなれてつわりが軽くなるケースが多いようです。また男性因子の影響もあるようで、パートナーによっても症状が異なるとも言われています」

妊娠中、出産後のサプリメントは、“あり”? “なし”?


アルコールや生ものなど、妊娠前にはとっていたものも避けなければならない妊娠期。サプリメントも避けたほうがよいのでしょうか?
「問題はありませんよ」と清水先生。でもとり方にコツがあるよう。
「葉酸のサプリメントを飲まれる妊婦さんが多いようですが、実は葉酸に関しては妊娠前から飲んでいないと意味がないんです。というのも葉酸は赤ちゃんの神経菅閉鎖障害(脳や脊髄などのもととなる神経菅がうまく作られないこと)の予防のために必要な栄養素。神経菅は妊娠してからわりと早めに作られるものなので、妊娠前からしっかり飲んでいないと予防につながらないんです。お母さんの貧血対策には妊娠後からでもよいですが、いちばんの目的を考えると妊娠前がベスト」

そして積極的にとりたいのがビタミンCです。
「妊娠中期の20週目くらいになってくると美容面の変化が目立ってきます」

また出産後のホルモンバランスの変化も女性に大きな影響を与える、と清水先生。
「妊娠中にたくさん出ていた女性ホルモンですが、出産直後に更年期に近いレベルまで一気に落ちます。特に美人ホルモンといわれている“エストロゲン(卵胞ホルモン)”がぐっと減るので、皮膚の乾燥や色素沈着が目立ったり、肌のハリも失われがちに。よく産後の薄毛を気にされる方が多いと思いますが、これも女性ホルモンの影響です」
妊娠中のうちからしっかりスキンケアをし、肌のためにもサプリメントで栄養をとることが大切だそう。

まとめ

女性ホルモンは、女性が生きていく上で欠かせないのもので、妊娠・出産ではダイナミックに変化していきます。メンタル面にも影響を与え、普段よりもストレスを感じることもきっと多いでしょう。
体内では合成できないうえ、ちょっとしたことで消耗されてしまうビタミンCはサプリメントで積極的に補ってあげたいですね。


清水華子先生
多摩センターレディースクリニック院長。産婦人科専門医・指導医、がん治療認定医、婦人科腫瘍専門医。年齢はもちろんのこと、個人によって多岐に渡る女性の悩みに真摯に向き合い、より多くの女性が快適な毎日を送るための診断、治療に励んでいる。


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