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START with Lypo-C (後編)

SUMMARY

  1. ・日本の家庭の食卓にさりげなく馴染むような私流の韓国料理を伝えたい
  2. ・古いレシピを調べて、先人の知恵に学ぶ
  3. ・季節に合った食材を積極的に摂って体調管理

キム・ナレさん/韓国料理家
 
母国である韓国の料理をメインに、体と心に響く料理を提案している料理家のキム・ナレさん。料理家を志したきっかけや、料理を通じて届けたい想いについてお話を伺いました。
 
 

伝え続けたいのは
体にやさしい家庭の料理

キム・ナレさんが初めて来日したのは20代の頃。フォトグラファーを目指していましたが、ひょんなことから韓国で料理を学ぶことに。ところが、ナレさんが通った料理学校は資格を取ることを目的にした技巧中心の授業だったため、また日本に戻って服部栄養専門学校へ通うことになりました。



「卒業後は、日本のイタリア料理店や地中海料理店で働いていたんですが、シェフのレシピを作るのは自分が求めていることではないなと思い始めて。そんな時、外国人が自宅で外国語を使って料理を教える教室のシステムを知って、韓国料理教室を始めたんです。私自身が呑んべいなのでレッスンはお酒付き。それが良かったのか、予約が取れないと言われるほどの人気レッスンになりました」



当時ナレさんが教えていたのは、日本でもメジャーなちょっとジャンクな韓国料理。
しかし、体調不良で韓国へ一時帰国した時、振り返って感じたことは「これまでに食べてきたものやストレスが溜まって病気という形になって出てきた」ということでした。

「改めて考えてみたら、日頃からこまめにストレスを発散したり、健康になれるようなものを食べたりすることが大事なんだなって気づいたんです。食事って、人を生かすことも健康を損なうこともできる。今までのようなポピュラーなメニューじゃなくなっても、私がおいしいと思うものならきっと生徒さんたちも喜んでくれるはずだと信じて、レッスンの方向転換をしました」

すると徐々に、生徒の方々が体や心の悩みを打ち明けるようになっていったのです。

「一般的な韓国料理を日本で広めている人はたくさんいるけれど、私は自身が育ってきた味や今勉強していることも含めて、あまり知られていない韓国の文化を伝えていきたいと思っています。韓国で生まれ育った私は、韓国の家庭料理も、学生の頃に通った屋台のおやつのおいしさも、おばちゃんがやってる食堂の味も知っているから」



 
だから、この春に出た新刊(写真左)のテーマも、みんなが知らない韓国の家庭料理。「雨の日」「何もしたくない日」といったテーマに沿って、気軽に作れるレシピがたくさん紹介されています。

「日本の皆さんの食卓にさりげなく馴染むような料理を伝えたくて。韓国料理を作るぞ!って気を張るものではなく、日常的に作れて、日本のおかずとも組み合わせられるようなもの。言ってみれば、韓国料理というよりナレ式料理ですね(笑)」
自称“オタク”気質のナレさんは、とにかく学ぶことが大好き。古い器を買えば、どのように使われていたか知りたくなるし、古のレシピからは日本との交流の歴史が伝わってくることも興味深いと語ります。





 
「今は、韓国のお寺の料理とか、朝鮮王朝時代の古いレシピを調べて、再現することにハマっています。例えば1920年代の本を見ると、鳥を狩って絞めるところから始まるんです。古い文字で書かれているから読むのも大変なんですが、勉強すればするほど昔の人ってすごいと思います。住んでいる土地の季節の食材を使う、食べ物の相性を大切にするといった知恵には、納得するばかり。200年前のレシピだと、まだ中国の影響が大きい時代だから、唐辛子は多用されていないし、八角やフェンネルシードなどのスパイスが使われていたりする。興味深いですよね」
 

家庭料理を通じて
韓国の文化を繋いでいく

そんな知識を惜しみなく披露しているという料理教室では、生徒の方々が習った料理を家庭で復習してくれることが嬉しいと話すナレさん。「すごくおいしかったから、すぐに子どもに作ってあげたんです」「疲れたから外で食べようかって思ったんですが、ナレさんに習ったものを食べたくて家に帰りました」といった声は、ナレさんにとってなによりの励みになっているそう。

「私が伝えた料理を誰かが作り続けることで、だんだんその家庭の味になっていくでしょう。いずれは誰かの“おふくろの味”になるかもしれない。そしたら、その人がまたその子どもにそれを作ってあげる。それってすごいことだと思うんです。想像したら嬉しくてたまらない」

ナレさん自身も5歳の息子を育てるワーキングマザー。子どものために、日々料理を作っています。

「もともとやりたいことが多すぎて時間が足りない!っていうタイプなのに、子どもが生まれたらさらに時間が足りなくなって。でもバタバタするのが嫌だから、段取り上手になりました。明日スジェビ(すいとん)を作ろうと思ったら、寝る前に生地をこねておく、冷蔵庫には常に塩揉みした野菜をストックする、などの工夫は当たり前。忙しいからと息子に我慢させることも多いから、ごはんくらいは手作りしてあげたいなと思ってます」






幼い子どもが好んで食べる物は限られているけれど、塩や醤油以外はできるだけ手作りする、なるべく原材料だけのシンプルで丁寧につくられた物を摂る、といったことを心がけているそう。それはナレさんが生まれ育った韓国での韓方という理念がベースにあるからかもしれません。
 

暮らしのベースにある
韓方の理念

「韓国には季節ごとに決まって食べる物があるんです。例えば冬は体を温めるアマドコロのお茶を飲んだり、ニラをたくさん食べたりします。夏は体の熱を冷ましてくれるケツメイシのお茶や緑豆を積極的に摂る。韓方の考え方なんですよね。親がやっているのを見てきたから、若い子たちも自然と取り入れている気がします」
 
体調を崩した時にお粥で労るのも、ナレさん流の健康法(実際に韓国では体調を崩したときにお粥をよく食べるのだそう)。

「参鶏湯やワカメのお粥をよく食べます。ワカメのお粥はワカメをごま油で炒めて、干し椎茸の戻し汁や水、お米と合わせて煮るだけ。塩で調味し、えごまパウダーを加えていただきます。これを食べるとたくさん汗をかいて、すごく元気になるんですよ」
 
ナレさんが輝いている秘訣は、こうした健康的な食生活と、自身が納得して選んだLypo-Cのようなサプリメントやコスメによる美容なのかもしれません。そしてやりたいことを諦めない、前向きな姿勢にも。

「料理家として活動し始めてから9年ほど経ちました。著書を2冊出し、テレビにも出られた。今も新しい企画をいただいているし、自分でも驚くほど夢が叶っています。これからもコツコツと頑張っていきますが、まだ夢はあります。
搾り立てのごま油のお店をつくって、その隣で餃子と牛骨スープだけを出すの楽しそうだなとか、韓国のおいしい調味料や食器の販売ができたらいいなとか。いつか叶えるのが楽しみです」


ナレさんがLypo-Cを贈りたい大切な人として挙げてくれたのが、料理家の植松良枝さん。次号では、約1ヶ月、Lypo-Cを試してもらった良枝さんにお話を伺います。
 
 
プロフィール
きむ・なれ/韓国・仁川出身。旬の食材を取り入れた韓国家庭料理やナレ式韓国料理を中心に東京で韓国料理教室を開催している。

Text:Shiori Fujii
Edit : Yuko Homma
Photo:Tsukasa Nakagawa
 

 


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