紫外線による日焼け後の肌の回復を早める対策と食べ物の選び方
SUMMARY
- ・日焼け後の肌の回復を早める食べ物とは?
- ・肌を健やかに保つ食習慣
- ・紫外線から肌を守る方法
- ・日焼け後の肌を早く回復させる効果的な対策とケア方法
- ・まとめ
しっかりと紫外線対策をしていたつもりでも、日焼けしてしまうことがあります。
本記事では日焼け後の肌のダメージから少しでも早く回復したい方に向けて、その対策と食べ物の選び方について解説します。
日焼け後の肌の回復を早める食べ物とは?
ここでは日焼けしてしまった後に摂取した方がよい食品・避けた方がよい食品を、それぞれ紹介します。
日焼け後の肌の回復を早めるポイントは、抗酸化作用のある食品を摂ることです。どのような食品に抗酸化作用があるのか、また水分補給の重要性についても解説します。
● 抗酸化作用のある食べ物
日焼けした肌を体の内側からケアするには、抗酸化作用のあるカロテノイドを多く含んだ緑黄色野菜が効果的です。ほうれん草・ニンジン・かぼちゃなどを食べましょう。果物なら、柑橘類・パパイヤ・柿・スイカなどがおすすめです。
また、トマトも多く食べるとよいでしょう。トマトに含まれるリコピンも抗酸化作用があり、メラニンの生成を抑える働きがあります。
ミネラルにも抗酸化作用があることが分かっています。ミネラルを多く含んだ海藻類・魚介類・ナッツ類・納豆などを、積極的に食べるようにしましょう。
日焼け後に避けた方がよいのは、糖質や脂質の多い食べ物・カフェインを多く含む飲み物・アルコール飲料などです。肌の回復を遅らせるおそれがあるため、注意してください。
● 水分補給の重要性
水分は、日焼けした肌を回復させるために重要な働きをします。体内にたっぷりと水分が補給されることによって肌が保湿されるのです。
また、水分によってたまっていた脂質が排出され、血流が促進されます。基礎代謝が向上することで、余分な塩分の排出が促され糖尿病や高血圧の抑制にもつながるのです。
運動する前に比べて運動した後の体重減少率が2%以上であった場合、脱水症状を起こしているおそれがあり持久力・判断力の低下や熱中症のリスクが高まります。
運動の後は、しっかり水分補給をするよう心掛けましょう。
肌を健やかに保つ食習慣
ここでは、肌の健康を保つ食習慣について見てみましょう。どのような食べ物を、いつ食べると効果的かを解説します。
● 朝食と日中の食事内容
1日のはじまりに摂る朝食は、紫外線による日焼けを防止する栄養素を多く摂るようにしましょう。
特に注目したい栄養素は、リコピンです。紫外線を浴びることによって生じる活性酸素を除去する働きがあるため、朝に摂取すると日焼けの予防に効果があります。また、日焼けした肌の回復にも効果があるため積極的に取り入れるのがおすすめです。
リコピンをたっぷり含む食品はトマトが有名ですが、そのほかニンジン・スイカ・パパイヤにも豊富に含まれています。生で食べるより加熱調理した方が吸収されやすいため、スープやソースにして食べるのがよいでしょう。
● お出かけ前の食生活のポイント
「今日は外で長時間すごすので日焼けしそう」と思う日は、お出かけ前の食事でビタミンCを摂取するのがおすすめです。ビタミンCには抗酸化作用があり、紫外線によって生じる活性酸素を抑えてくれます。
ビタミンCが豊富で手軽に食べられるのは、いちごです。お出かけ前の食事のおわりに5粒ほど食べましょう。ヘタを取ってから水に晒すとビタミンCが流れ出てしまうため、ヘタごと洗います。加熱するとビタミンCの含有率が低下するため、生で食べましょう。
そのほかアセロラ・ケール・ピーマンなども、ビタミンCが豊富です。
● 日焼け後の食生活のポイント
日焼け後の食生活にも気を遣いましょう。「今日は日焼けしてしまったな」と感じたときは、ビタミンEを摂取するのがおすすめです。血行を促進し新陳代謝を活発にするため、日焼けによるダメージからの回復に効果があります。
ビタミンEを多く含む食べ物は、アーモンドをはじめとするナッツ類・穀類・枝豆などです。
抗酸化作用があり、免疫力を高めて肌の保湿効果もあるビタミンAも、日焼けで弱った肌を守ってくれます。
ビタミンAが豊富な食べ物としては、ニンジン・豚や鶏のレバー・たらやうなぎなどの魚介類が挙げられます。
紫外線から肌を守る方法
改めて、紫外線から肌を守る方法について確認しておきましょう。紫外線が肌に与えるダメージや、日焼け防止対策、日焼け後のケア方法について解説します。
● 紫外線による肌へのダメージ
紫外線にはUV-A・UV-B・UV-Cの3種類がありますが、UV-Cは地上まで到達しないため気を付けるのはUV-AとUV-Bの2種類です。
UV-Aは、大気の影響を受けずに地上に到達する紫外線です。UV-Bに比べて人体に与える影響は大きくありませんが、肌の奥深くまで浸透してしわ・たるみを引き起こします。
UV-Bは成層圏でほとんど吸収されるため地上に注ぐのは少しですが、肌への影響は大きく日焼けやしみの主な原因です。
どちらの紫外線も浴びると活性酸素が発生するため、肌荒れの原因になるだけでなく皮膚の老化や免疫力の低下を招きます。
● 日焼け防止のための対策
日焼けを防ぐ対策としてまず考えられるのが、外側からの防止策です。日焼け止めをしっかり塗ったり日傘をさしたりして、肌を守りましょう。
サングラスの着用も、日焼けの防止に効果があります。目そのものを保護するだけではありません。人間の体は目に紫外線が当たると日差しが強いと判断し、メラニンを生成し始めます。目を紫外線から守ることによって、メラニンの生成を抑制し日焼けを防止する効果があるのです。
外側からの日焼け防止策と同時に、前述したようなビタミンA・C・Eやリコピンを多く含む食事を摂ることによって、体の内側と外側から日焼けを防げるでしょう。
● 日焼けしてしまったら
いくら日焼け対策をしていても、日焼けしてしまうことはあります。そのような場合は、少しでも早く元の肌に戻れるようにケアしましょう。ケアの基本は、「冷やす」「保湿」「水分と栄養素の補給」「スキンケア」「睡眠」です。
紫外線による影響は、肌の老化を引き起こす主な原因と考えられます。日焼け後のケアをおろそかにしないよう、気を付けましょう。
日焼け後の肌を早く回復させる効果的な対策とケア方法
日焼けしてしまったからといって、あきらめることはありません。日焼け後のケア次第で、肌を早く回復させることも可能です。
前述したケアの基本から、特に重要な2つのポイントについて解説しましょう。
● まずはクールダウン
日焼けによる赤み・ほてり・痛みを感じる場合、肌が炎症を起こしています。いうならば軽いやけどの状態です。このようなときはクールダウンが必要であるため、冷水にひたしたタオルや布で保冷剤や水氷を入れたビニール袋などをくるんで、日焼けした肌を冷やしましょう。
肌がひんやりしてほてりが収まってきたら、低刺激の化粧水や美容液で保湿してください。肌のピーリングやマッサージは、日焼けした肌にとって刺激が強すぎるため、しばらく控えるようにしましょう。
● 食事や生活習慣の改善がポイント
体の内側からのケアは、食事や生活習慣の改善からはじめましょう。
食生活の改善は、抗酸化作用のある栄養素やメラニンの生成に対して抑制効果のある栄養素を積極的に取り入れること、そして水分をしっかりと補給することなどがポイントです。
ビタミンA・C・Eや、リコピンを摂取することをおすすめします。食べ物からだけでなく、サプリメントで摂るのもよいでしょう。
生活習慣の改善としては、睡眠が何よりも大切です。質の高い睡眠をとれば成長ホルモンが分泌されて新陳代謝が高まり、ダメージを受けた肌のターンオーバーを促します。
寝だめするのではなく、毎日継続して上質な睡眠をとるよう心掛けましょう。
まとめ
紫外線による日焼け対策は、日焼けする前の防止策と日焼け後のケアの両方が重要です。対策として、体の外側と内側からのアプローチがおすすめです。
日焼けしてしまった後でもあきらめず、回復が早くなるようにしっかりとケアしましょう。
記事監修
Alohaさおり自由が丘クリニック院長
藤堂紗織先生
Alohaさおり自由が丘クリニック
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。
その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。
現在はAlohaさおり自由が丘クリニックを開業。内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜している。