
更年期に備え、今から始めたいこと
SUMMARY
- ・睡眠を大切に、運動習慣を身につける
- ・意識してビタミンDを摂る
- ・かかりつけ医を見つけ、更年期ドックを受ける
更年期に差し掛かると、これまで女性の健康を守ってきた女性ホルモンのひとつエストロゲンが減少するため、生活習慣病などのリスクも高まります。本格的な更年期に備え、今から始めたいことをクレアージュ東京 レディースドッククリニック 婦人科顧問、大島乃里子先生に教えてもらいました。
体温は36度以上を保つ
身体が冷えると血管が収縮し、全身の血流が低下。血の巡りが悪くなると、
身体の各部位で本来の働きが鈍化します。さらに冷えが進み、脳に届く血液量まで減ると、女性ホルモンの分泌や自律神経に指令を出す視床下部がうまく働かなくなり、さまざまな不調を起こすことに。身体を冷やさない生活習慣と、適度な運動で筋肉をつけて基礎体温を高めましょう。
睡眠を大切に、運動習慣を身につける
睡眠不足が続くと体調だけでなく、メンタル面での落ち込みやうつ症状も出やすくなるため、しっかり睡眠時間を確保するように心がけましょう。運動は自律神経のバランスを整える効果があり、イライラや倦怠感、肩こりなどの不定愁訴の改善につながりますし、睡眠の質も良くしてくれます。プレ更年期のうちにぜひとも運動習慣を身につけて、本格的な更年期に備えてください
意識してビタミンDを摂る
70代以降の女性の約7割が骨粗しょう症というデータがあります。女性は寿命と健康寿命に約10年の差があると言われており、健康寿命を延ばすために、骨と筋肉を強化することが大切。そのためにはビタミンDは欠かせない栄養素です。ビタミンDは、食品からは十分な量を摂りにくいことに加え、加齢とともにビタミンDを活性化する力も弱まってきます。なるべく添加物や甘味料などが入っていないシンプル且つ良質なサプリメントがおすすめです。。
高血圧に気を付ける
更年期に差しかかると、若いころが低血圧だった人でも高血圧になる可能性が増えます。更年期高血圧は血液量が増加したり、動脈硬化など血管壁が硬くなって血流への抵抗性が高まることによる一般的な高血圧とは異なり、ホルモンバランスの乱れから自律神経に影響することが原因とされています。自分も高血圧になる可能性があると自覚し、まずは血圧を測る習慣を身につけましょう。
かかりつけ医を見つける
更年期は、子育てや仕事、介護などが重なり特に忙しい年代。身体体から出ているサインを見過ごして、自分自身を追い込んでしまう方が多いのが実情。一人で抱え込まないためにも、頼れるかかりつけ医を見つけることがおすすめです。医師との相性も重要なポイント。医師の説明の仕方や話し方など、相性の良い医師を見つけておくと安心です。
更年期ドックを受ける
更年期ドックでは、女性ホルモン検査だけでなく、甲状腺機能をはじめとした更年期症状と間違えやすい病気も検査し、更年期状態かどうかを調べることができます。また、心・血管疾患やコレステロール、や中性脂肪の増加、骨量の減少など、更年期に高まる健康リスクの現状チェックも。治療が必要な場合は、まずどの科を受診すべきかの指針にもなります。
まとめ
婦人科医として、更年期の理解が少しでも進むことを願っていますが、まずはセルフケアとして、普段の生活習慣を見直したり、健診で自身の身体からだの状態をチェックしてみることが、更年期とうまく付き合っていくポイントだと思います。私が顧問を務めるクレアージュ東京レディースドッククリニックでは、「更年期ドック」という検査プランで骨密度、女性ホルモンなどの、更年期に知っておきたい項目を検査することができるので、検査の1つとして紹介します。人生100年時代、後半戦も健やかに楽しく乗り越えるため、自分の身体と向きあう習慣をぜひ身につけてください。身体からさまざまなサインが現れる更年期は、女性にとって自分自身を見つめ直すチャンスなんです。
●記事監修
クレアージュ東京 レディースドッククリニック 婦人科顧問。
大島乃里子先生
https://www.creage.or.jp/